事業所得の赤字で課税所得を減らす
昨日の投稿の、課税所得の計算プロセスから節税ポイントを理解するでは、給与収入から課税所得を計算するプロセスと、損益通算の概要を説明しました。今回は、損益通算の具体例として、給与所得を事業所得の赤字で相殺する方法を紹介します。
損益通算の説明に先立って、まずは事業所得の計算方法を理解する必要がありますが、計算式は以下の通りです。
| 事業所得の計算式: [事業所得]=[事業収入]-[必要経費] |
(なお、必要経費の他に青色申告特別控除などが収入から控除できますが、事業収入より必要経費が大きい場合は使用できないため、今回は説明の対象外とします。詳細は、国税庁の事業所得の課税のしくみなどを参照してください。)
ではここで、事業所得を赤字として申告し、減税されるまでの手順を説明します。
1. 事業内容を決める
不動産の貸付(不動産所得)や山林の譲渡(山林所得)を除き、継続的に収入が得られるものを事業とします。(私は、資産運用コンサルティング業としています。)
2. 事業内容を税務署に提出する
1. で決定した事業内容を個人事業の開廃業等届出書に記載し、税務署に提出します。
3. 当年の事業収入と必要経費を記録する
事業収入は文字通り事業から得られた実際の収入額ですが、必要経費は多岐に渡り、代表的な例として次のものがあります。(必要経費についての基本的な考え方は、国税庁のやさしい必要経費の知識などを参照してください。)
- 通信費(電話代、インターネット回線使用料、郵送料)
- 事務所家賃(居住地と事務所が併用の場合は、家賃総額のうち3、4割程度が普通)
- 水道光熱費(こちらも居住地と事務所が併用の場合は、総額のうち3、4割程度が普通)
- 旅費交通費
- 事務用品費
- 租税公課(収入印紙代、固定資産税、事業税など)
- 交際費
- 支払保険料
- 書籍代
- 会議費(カフェ、レストランなどでの打ち合わせ費用)
ここでは、普通に生活していて消費するものの中で、事業に関連するものとして経費計上できる項目が、節税のポイントになります。
4. 翌年の3/15までに確定申告をする
3. で記録した事業収入、必要経費を基に事業所得を計算し、確定申告書を作成します。具体的な作成方法については、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどを参照してください。
5. 所得税の還付と住民税の減額を確認する
4. の申告内容に問題がなければ、確定申告の数週間後に所得税が還付され(通常は銀行振り込み)、6月以降に支払う住民税が減額されます。
※給与所得者が事業を行う場合は副業扱いになることが大半のため、勤め先の就業規則などをご確認の上、実施される際は自己責任にてお願いいたします。また、今回は節税に焦点を当てた記事としていますが、節税を目指すべき最終目的としているわけではありません。副業を始めて数年間の初期段階では事業所得の赤字による節税を利用しつつ、徐々に継続的に事業を発展させ、収入(所得)を最大化することが重要だと考えています。
【参考】
今回の内容は、ファイナンシャル・プランナーや税理士の資格の勉強をされた方ならご存知かもしれませんが、一般の方にもわかりやすく説明した書籍として、只野範男氏著書の『「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう』が参考になります。税制の基礎や、税務署に対する心構えなども記述されています。
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